岩淵小学校ビオトープ (北区)
令和3年2月完成
面積:約132.2m²
田んぼを隣接させたビオトープです。 既存の植込み地を利用して、水域を散策するルートと大きな桜の裏を回るルートを作成しました。 ビオトープのシンボルとして、学校の近辺にあり子供達にも馴染みがある赤水門を設置しています。
施工時の様子
設置場所は、校庭に面した植栽体とその手前にある藤棚付近になります。この場所に流れのある池と、田んぼを設置しました。
周辺の調査
設計の際には周辺地域の様子も調査し、どんな生き物が池に生息するかを想定し、子供達に親しみを持ってもらうためにどんなものを設置するか検討しました。
生き物観察会
工事の前には、4年生の生徒さん達と一緒に「生き物観察会」を行いました。
ビオトープ設置前の学校にどんな生き物がいるか、子供達と一緒に探しわまりました。
設置場所の整地と枠の取付
枠の取付
池の防水にもっとも重要なのは遮水シートをきれいに設置することです。
そのために弊社では、池の形に合わせた枠を作り、そこに遮水シートを設置しています。
耐根シート敷き、上流のかさ上げ
土留め(防腐加工枕木)の設置
池の周りには植物が生育できるスペースを作るため、土留めを設置しました。
土留めには、防腐加工済みの枕木を使用しています。
落ち葉拾い、落ち葉風呂の授業(1年生対象)
ビオトープ設置個所でかき集めた 落ち葉 を利用して、落ち葉風呂作成しました。
生徒さん達は、フカフカの落ち葉に飛び込んで楽しんでいました。
遮水シート設置
荒木田張り、法面造成授業(5年生対象)
遮水シート設置後に、荒木田張りを行いました。
荒木田で法面を造成することで、水中までの緩やかなスロープを作成します。
スロープがあると、アズマヒキガエル等が産卵に訪れた際に行き来しやすくなります。
ウッドデッキ設置後
下流池には子供達が池の中を観察しやすいように、ウッドデッキを設置しました。
八橋設置後
大きな桜の木が生えている植栽体には、桜の裏側を回ってこれるように【八橋】を設置しました。
木道設置後
池回りの導線を確保するために、木道を設置しました。
土留め、ウッドデッキ、木道は統一感を出すために、全て同じ防腐加工済み枕木でそろえています。
池底の砂利入れ授業(2年生対象)
メダカやドジョウの隠れ家や、水生植物が活着しやすくするために、池底に砂利を設置しています。
芝張り授業(6年生対象)
池周辺には野芝を張り付けています。
野芝の根が入ることで、池に土が流れ込むのを防ぐことが出来ます。
田んぼ設置後
ビオトープのすぐ隣に、田んぼを設置しました。
田んぼに水を張っている状態だと夏ごろに蚊がわくため、隣のビオトープからメダカを移し、蚊の発生を予防します。
田んぼの水を抜く際には、田んぼからビオトープへメダカを移して干からびてしまうのを防ぎます。
赤水門設置後
池の一部区間に本物そっくりの赤水門を設置しました。赤水門は学校のすぐそばにあり、生徒さん達にもなじみのあるシンボルです。
柵設置後
校庭に面したビオトープなので、ボールが池に落ちないようにするために、柵を設置しています。
柵の一部には看板も設置し、お知らせ等が掲示できるようにしています。
ビオトープ設置後
ビオトープ設置後は、まだ野芝が活着していないため、ゴールデンウイーク明けまでは養生期間として、
生徒さん達が入ることが出来ないようにしています。
また、植物も生育する前なので少し寂しい印象に見えますが、春を過ぎればたくさんの植物が生え、
緑豊かなビオトープとなります。
お披露目会の様子
工事完了後にはお披露目会を開催し、ビオトープを使う点での注意事項や活用方法を生徒さん達に話しました。
沢山の生物がやってきたビオトープで、生徒さん達には生き物観察を楽しんでもらいたいです