団粒構造と腐植を重視して測定します

土壌とは?

土壌とは鉱物(火山噴出物等)を基盤とし、それに長い時間を経て育成された生物、腐植を加えた混合物です。
生物は微生物(ウイルス、細菌類、真菌類)の他、植物の根、ダニ、ミミズ等の目に見えるものも含まれます。
腐植は微生物によって生物遺体が分解され、再度微生物によって合成された暗黒の有機高分子(フミン酸、フルボ酸)です。

豊かな土壌とは?

豊かな土壌とは、土壌が植物を十分に長期間成育させることができる土壌を指します。
そのような土壌には保肥力と団粒構造が備わっています。
保肥力が高い土壌は、栄養分を十分に吸着できます。
その指標とされる塩基交換容量は腐植が多ければ高くなります。
また、主に腐植によって形成される団粒構造の土壌は、通気性と保水性が備わっています。
このように、腐植は(鉱物質も関係しますが)、保肥力、団粒構造の要の有機物といえます。

団粒構造と腐植

団粒構造、腐植は放線菌の働きで生成されるため、豊かな土壌は放線菌の活躍なしには生れません。

一方、放線菌にとっても生命を育むためには団粒構造は好都合と考えられます。
団粒構造は粘着性があるため壊れにくく、渇水時でもしっかりと内部に水分を保持でき、乾燥に耐えられます。
降雨時では、水が停滞せずにはけるため、酸素不足にはなりません。
このような土壌環境は植物根を始め、他の好気性微生物、小動物にとっても同様に住み心地の良い場所となります。

以上より、土壌の豊かさは、団粒構造と腐植が大きく関わっています。

放線菌

Fig.1 当社で山土を純粋培養した放線菌の顕微鏡写真(1000倍) 600万/gのコロニーが検出された。

測定項目

以下に測定項目を示します。1~6の項目で基準をクリアすれば、豊かな土壌と判断されます。7の項目はオプションとしてご要望があれば実施いたします。

項目項目の説明豊かな土壌の当社基準
1.外観・色調状態、団粒構造、夾雑物、色合い等黒色或は黒褐色     団粒構造が発達
2.臭気放線菌が発するカビ臭の有無(微)カビ臭
3.pH値極端な酸性、アルカリ性は植物の成長を阻害弱酸性~中性付近
4.有機炭素量(mg/g)土壌の有機物を構成する炭素の量30 以上
5.腐植量(%)腐植とは落葉、落枝等が土壌中で分解され、それが再度微生物で合成される有機性高分子の暗黒物質である。
腐植量が多い程、塩基交換容量が多くなり、豊かさも増加する。
8以上
6.攪拌後の濁度(度)濁度が低い程、団粒構造が発達しており、豊かな土壌を示す。
濁度が高い場合は、団粒構造が未発達であることを示す。
ただし、砂質、礫質の土壌は濁度も低下する。
150以下
7.二酸化炭素の増加率         (CO2ppm/分)
(オプション項目)  
密閉容器での微生物等の呼吸作用によるCO2の増加率を調べる。
易分解有機物が多いと活動が活発になり増加率は高くなる。
また、無機的な状態でも好気的微生物が増え、増加率が高くなる傾向がある。
植物質の難分解有機物が主に状態では放線菌が主に生息し、分解速度が遅いためCO2増加率も低くなることが多い。
そのため、土壌中の酸素濃度も維持されやすい。
3~10の間

測定料金

     1~6の項目      7,500円(税抜き) 
 7の項目  2,800円(税抜き)

当社はなるべく安価に測定を行うため、土壌の化学分析等は行いません。

それは、土壌中の窒素、リン、カリ等の含有量より、土壌の豊かさには微生物の働きがより重要と考えるためでもあります。
この測定を通じて日本の有機農業、自然農法に少しでも貢献できればと考えております。

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