【緑のカーテン撤去】小学生を対象とした秋の環境学習とは?


季節変化における緑のカーテンの撤去および環境学習
夏場青々と茂っていた立派な緑のカーテンも秋が近づいてくるにつれて茶色が目立ち、枯れ始めてきました。そのため私たちはこの時期に緑のカーテンの撤去をはじめています。それと同時に小学生4年生を対象とした環境学習にも取り組んでおります。今回はそんな秋の環境学習の内容をご紹介いたします。
秋の環境学習内容
4月には緑のカーテンを作るためのネットを設置し、春の環境学習として子供たちにヘチマ、ゴーヤ、キュウリ、スイカなどの緑のカーテンとなる植物たちを植えてもらいました。今回の秋の環境学習はそのまとめとして、実際に緑のカーテンとしての効果を説明し、収穫できたヘチマでたわしを作ってもらいました。

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緑のカーテンの効果については、以前ブログでもご紹介したサーモグラフィーカメラによる測定で教室内の温度を実際に見てもらいました。緑のカーテンがない教室、布のカーテンがある教室、そして緑のカーテンがある教室をサーモグラフィーカメラで温度を色で可視化された写真を子供たちに見せると皆さんとても驚いていました。これにより子供たちにもわかりやすく緑のカーテンのいいところを理解してもらえたのではないでしょうか。
サーモグラフィーカメラによる温度測定に関するブログはこちらから!
緑のカーテンで育てた植物の有効活用について
ヘチマと言ったら皆さんは緑色の長い実を思い浮かべることが多いと思います。ヘチマは水分を蓄えながら成長していきあるものだと人の顔の三倍ほどの大きさにもなるほどです。しかし、ヘチマは自分たちの子孫を残すためタネを乾燥させ飛散しやすくさせます。そのためヘチマという植物は果実に与える水の供給をストップするのです。しばらくすればカラカラに枯れたヘチマが出来上がります。へちまのたわしはその乾燥した果実を利用して作られるのです。子供達にはそのヘチマの皮むきをしてもらいました。皮をむき終わったらヘチマ一本分に含まれる種の数も子供たちに数えてもらいました。ある学校では合計700粒ほど入っていたヘチマもありました。ヘチマから出てきた種に興味を示したり、その種を持って帰って育てると言ってくれる子がいました。


植物というものは、収穫物が取れるほかにもたくさんの有効活用があります。今回のヘチマたわしのほかにも丈夫なつるを利用したリースが作れます。また、コンポストに入れることで堆肥を作ることも可能となります。私たちは各学校にコンポストを置いてもらっているため緑のカーテンで出た植物や食べられない果実も再利用することができます。あますことなく利用できる植物を実際に見て触れて体験することはSNSや本での知識とはまた違った経験を得ることができるのです。私たちは緑のカーテン及び環境学習を通して自然と密に接することで子供たちの知的好奇心を育んでいきたいと考えております。

植物の生存戦略を通した学びとは?
緑のカーテンでは様々な植物を育てています。例えばキュウリ、ゴーヤ、ヘチマ、スイカなど馴染み深いものからフウセンカズラ、おもちゃかぼちゃ、半白キュウリなど珍しいものなどです。これらの植物には共通点も相違点もあります。
ゴーヤとヘチマの種子散布について着目してみましょう。ゴーヤの種子には周りにほんのり甘い赤い果肉が付きます。ゴーヤの実は熟してくると果皮が弾け、種入りの果肉があらわになります。そうすることで鳥などの動物に食べてもらうことにより種を様々な場所へ運んでもらい散布します。これを動物被食散布といいます。それに対し、ヘチマは実に水分の供給を止めることで中の種子を乾燥させ、ぺらぺらの軽い種子になります。そうすることにより風に乗りやすくなり様々な場所へ種子を散布します。これを風散布といいます。


このように植物は環境に適した種子散布方法を会得したことにより順応してきました。このような生存戦略の違いを子供たちにも学んでほしい。そのため私たちは春の環境授業から種子に関するクイズを出題し、春~秋を通して緑のカーテンを観察してもらいクイズの答えを探ってもらいます。見て触れて、疑問にもってもらうこと、そして気づきを得ること。そんな経験を緑のカーテンを通して学んでもらいたいです。
私たちが緑のカーテンで育てている植物の詳細はこちらからご覧いただけます。
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