袋小学校(東京都北区)

崖下の湧水地を復元したビオトープの施工事例

袋小学校(東京都北区)  2012年3月完成
袋小学校のビオトープ

面積:約540m²
台地の崖の下に位置する袋小学校には、もともと水量の豊富な湧水がありました。
生物相豊かな「湧水地」を復元するとともに、 子どもたちの遊び場になるようなビオトープを造りました。

設計のコンセプトと仕組み

<施工前>

水際の施工

施工前は、水路と池の底には汚泥が堆積していて、そのため湧水量も少なくなっていました。
また、全体的に水深が深く、石組みの護岸にはほとんど植物が生えていないこともあって、 生物相も豊かとは言えませんでした。

<施工後>

水際の施工

施工に際しては、水底に堆積した泥を取り除くとともに、水際に厚く土をかぶせて生物の利用空間を 増やしました。
また水路は狭く浅くして、その流れに変化をつけるために屈曲させました。
図面右側のデッキの部分の池を新たに掘削し、豊富な湧水量を確保して水がよく流れるように 施工しました。
水は図面右から左へ向かってゆっくりと流れます。

さらに木道、橋、手押しポンプ等を設置して、自然と子供たちの遊び場になるような場所を再現しま した。

水辺の遊び場

水際の土を厚くする

施工中の写真です。多くの生き物が利用できるよう、水際には厚く土を盛って成形します。

水路は屈曲させる

水路は直線ではなく、屈曲させて自然の小川に近いイメージで施工します。

手押しポンプとデッキ

上流の池のデッキの上には、手押しポンプが設置されています。この池の下から湧水しています。

防球柵

グラウンドから飛んで来るボールが池や水路に入らないようにするための、防球柵も設置しました。

袋小学校のビオトープの写真集

アズマヒキガエルの卵塊

2012.3.13
施工終了後まもなく、これまでは確認されていなかったアズマヒキガエルの卵塊が見つかりました。

アズマヒキガエル

2012.8.16
8月に入って、アズマヒキガエルの成体も見られるようになりました。

上流の池の様子

2012.9.14
上流の池の様子です。水際の植生も大分安定してきて、良い感じになっています。
今後、どんな生き物が見られるか楽しみです。

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