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Vol.10 震災復興ボランティア-大槌町『菜の花プロジェクト』-

中村 衣里

 先月末、私は後輩とともに岩手の震災復興ボランティアに参加してきました。 ボランティア活動には関心はあったものの日々の業務があるので参加しあぐねておりましたが、 今回会社からの補助を受け(参加費用負担及び有給参加)、参加できることになりました。
 企業のCSR活動といえばそれまでですが・・・、3月11日、東京にいた私達も大きな地震を体験しました。 TVを通してではありますが津波が襲う瞬間を目の当たりにもしました。 その中で生まれた「この未曾有の災害に何かしたい」という思いは社員一同共通のものでありました。 その思いを私達が代表して実現できたことは、とても嬉しいことだと思っています。



 私達は丸3日ボランティア活動を行ってきました。1、2日目は大槌町にて『菜の花プロジェクト』の活動を、 3日目は陸前高田市にて瓦礫撤去の活動をしました。 その様子はVol.9でも紹介していますのでご覧下さい。
 ここでは、大槌町『菜の花プロジェクト』について書かせていただこうかと思います。


 岩手県大槌町は、あの大地震が引き起こした大津波と二次発生した火災により、壊滅的な被害を受けてしまいました。 津波は沿岸地域をのみ込んだだけでなく、大槌川を3kmも遡り内陸にも被害をもたらしました。 それまで大槌川はサケが遡上することで有名な美しい川だったそうなのですが、倒壊した家屋の残骸や汚泥などで河川敷は埋め尽くされ、かつての姿は見る影もなくなってしまいました。
 大槌町の『菜の花プロジェクト』は、その「荒れ果てた大槌川の河川敷一面に、菜の花を咲かせよう」というもので、 金山さんという60代の男性が「大槌町復興のシンボルに!、そして多くの犠牲者への弔いになれば・・・」とたった一人で始めたプロジェクトなのです。
 5月末に開始して以来多くの支援の手が加わり、私達が訪れた7月末にはもう河川敷に大きなゴミ等はなく開放的な地面が広がっておりました。 しかし土を掘り起こすと、まだまだ木屑やプラスチック片やガラス等が出てきます。 私達は土起こしとそれらの撤去を2日間手伝わせいただきました。

 “震災ボランティア”というと“瓦礫撤去”や“家屋の泥かき”のようなイメージがあると思います。 実際にいまだ被災地にはそのための手を必要としている場所がたくさんあります。 そんな中で「花を咲かせるための作業」というのは、肩すかしを食った感を抱くかもしれません。
 たしかに、花では腹の足しにはなりませんし、なくても生活には困りません。 しかし、春、河川敷いっぱいに咲く菜の花はきっと、理屈を越えて見る人の心を動かすだろうと思うのです。 特にこの大槌の菜の花には、金山さんの、たくさんの人たちの想いが詰まっているのです。 その花が希望や勇気を与えないはずがないと、私は信じます。 そしてそれは、物にもお金にも替えられない事なのです。
 植物に携わる仕事をする者として花の力を信じ、このようなプロジェクトに参加できたことを、誇らしく思っています。

 来年の春、みんなの想いが満開の菜の花とともに伝わりますように・・・・・・。

'11.08.

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