Vol.8 韓国よりお客様 学校ビオトープ見学
中村 衣里
先月、当社は韓国からお客様をお迎えしました。
お客様は檀國大学大学院で都市計画などを勉強されている学生さんで、 日本のエコシティを研究する目的の下、各種企業団体の様々な取組みを視察及び取材するため来日されたのです。
当社へは、『学校ビオトープづくり』に関心を寄せられ、取材のお申込をいただきました。
当日は、荒川区立第七峡田小学校のご好意により、 校内に設置したビオトープの見学をさせていただきました。 こちらの学校ビオトープは、当社が計画段階から携わらせていただいたビオトープであり、 現在もビオトープの管理や環境授業で時折訪問させていただいています。 (当社HP内紹介ページ)
韓国では「ビオトープ」はまだ馴染みの薄いものだそうで(日本でも広く浸透しているとは言いかねますが・・・)、 大変熱心に話を聞いていただき、たくさんのご質問を受けました。 彼らの新鮮な視点に、私も多くの事を学ばせていただきました。
昨今、都市緑化の手法の一つとして「ビオトープ」への関心が高まっておりますが、 他の手の込んだ庭園風の緑地に比べると、「ビオトープ」は非常に素朴なものです。 なぜならば、「ビオトープ」とは昔そこに当たり前にあった“自然の再現”だからです。 正直なところ、オシャレではないかもしれません。
しかしながら、花から花へ飛び回る蝶を見つけた時、草陰にカエルを見つけた時、流れにめだかの群れを見つけた時、 私はとてもワクワクします。子供の頃よく遊んだあの自然を思い出して、懐かしさに心が温かくなるのです。
今回いらした学生さん達は、都市生まれ都市育ちで、身近な場所に“自然”と呼べるような場所がなく過ごしてきたそうです。 そんな彼らにとっては、この「ビオトープ」は新鮮そのものだったようで、カエルを見つけて目を輝かせている姿が印象的でした。
私のように『懐かしさ』に心動かされる人もいれば、彼らのように『新鮮な驚き』に心動かされる人がいるかもしれない・・・・・。 どちらにせよ、素朴ながらも“本物の自然”というのは、人の心に訴えるものであることを、確認できたように思います。
そして、そのようなものが現代社会にはもっと必要なのではないか・・・と、思うのです。
'10.08.