Vol.4 緑のカーテンからのいただきもの

渡部 由佳

暦の上ではもうすっかり秋ですが、まだ日によっては温度差があり、毎日着るものに困る今日この頃。今回のコラムを担当させていただきます渡部と申します。

当社では雨水を利用してさまざまなことにチャレンジしており、今年も小学校の壁面を緑のカーテンで装飾しました。

ヘチマの花

まだ暑さも盛りの頃には、ネットを伝うヘチマやゴーヤの青々とした葉や黄色い花たちが、太陽に照らされてキラキラと輝いていたことが思い出されます。 屋上まで達したヘチマのつるに触れ、ずっしりとした重い実を手にすると、植物の生命力というのは想像以上のものだなと身をもって体感致しました。
ある日、蚊に刺されながらも植物の生育具合などを見ていると、プールの授業を終えた子供達がふと寄ってきて、花を見上げたり生長したヘチマの実を指さしたりしていました。
また、休み時間に近くの先生をつかまえて綺麗に咲いた西洋アサガオの花を見ながら何かを質問している様子を目にした日もありました。 そんな何気ない光景が、緑のカーテンの隙間から漏れる光の線とともに懐かしさのような心地よさを運んでくれたものです。

西洋アサガオ

話は少し変わりますが、今の子供達の間では「遊び」といえば、やはりプレステ等のゲーム機によるものが主流になのでしょうか。 
私の幼少時代にもゲーム機は流行っていましたが、自分の家になかったことやゲームのセンスの無さも手伝ってか(?)、外へ出て泥んこ遊びをしている方が性に合っていたようです。
考えてみれば人間がそのようなものを作り出す以前は、自然にあるもので遊ぶと共に学ぶことができたわけです。 「環境教育」という言葉を使うと堅苦しく聞こえますが、今の子供達にも植物や動物など、自然のものに触れることで得られる楽しさや発見といったものが、もう少し身近にあって欲しいと願うばかりです。

'06.11