吉野沢保育園の園庭田んぼトープ
「食育に取り組みたい」と先生方のご相談を受け、
水田ビオトープ(田んぼトープ)を施工しました。約140株植え付け可能です。
緩やかなカーブを描いた棚田をイメージして設計しました。
設置予定地の築山を除去するところから始まりました。
安全柵越しに質問をしてくれる園児に田んぼの説明をしつつ作業しました。
<レンガについて>
弊社でのビオトープ施工は国産防腐木材の木枠が主流でしたが、
近年は生物多様性や食育に関心を持たれる保育園や幼稚園などで施工することが増え、
幼児が見て楽しめるような、
流線形が表現できるレンガでの施工を取り入れています。
<防水シートについて>
ビオトープ施工において一番重要な作業です。
カーブが多いため、防水シートや保護シートの敷設にテクニックが必要です。
わずか1mmの隙間で漏水にするため、熟練者が慎重に行います。
田んぼでは耕すことがあるため、保護シートを必ず敷設し防水シートを守ります。
<飛び石とコーヒー袋について>
田んぼ内の飛び石は、個数や配置を熟慮しました。
園児の歩幅に合わせた間隔、付き添いの大人も手をつないで渡れる配置にしました。
土留めで使用する土嚢袋に関して、環境を配慮した園の希望を頂き、
マイクロプラスチックが発生しないコーヒーの麻袋を使用しました。
<メダカエリアについて>
水辺を施工する際は必ずボウフラ対策として在来のメダカを放流します。
オフシーズン(乾田時)にメダカが生息するスペースになる、「メダカエリア」をご提案いたしました。冬場も生きもの観察などで利用できます。
<給水設備について>
水循環装置はなく、田んぼ上下段にそれぞれ自動給水装置が設置してあります。
一定の水位まで給水されるため水入れの手間を省きます。
<排水について>
田んぼ内に暗渠排水管を埋設し、
排水時に極力泥が流れ出ないようにしました。
排水口に専用ホース接続し排水溝まで伸ばすことで園庭が水浸しになるのを防ぎます。
完成した日にはすでに園児が12名ほど田んぼに落ちてしまいましたが、
先生方は子どもの意思をくみ取り、優しく的確な対応をされていました。
不思議と泣いている子はいませんでした。
自然遊びをのびのびとしている園児の笑い声が印象的な現場でした。